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8600...

 お久しぶりです。奥泉です。なにを書こうかな、とかあれこれ迷っていたら学祭のバタバタに巻き込まれ、随分時間が経ってしまいました。あいだに更新してくれてありがとう○

 自分の中で3600や国立高校が遠くなっていくことなんて絶対にないと思っていたのに、気づいたら随分遠くに見えていることに気がつき驚いています。それは忘れてしまったとかどうでもよくなってしまったとか、そういうネガティヴな意味ではなくて、あの場所での3年間が終わって、これ以上面白く、夢中で、幸せな時間なんて決して来ないだろうな、と思っていた私たちにはまだ見えていなかった興味深いことが、この世にはまだまだたくさんあったという意味で!そして、同じように興味深い世界に出くわしているだろう今や8600のみんなと、もう少し頻度高く会いたいし、近況の恋愛事情もいいけれど、それよりも突っ込んだ会話をもっとしていきたいなと思っています。9月のどこかで飲みませんか?まあ近況の恋愛事情も聞くけどね。



 私は武蔵野美術大学を卒業して、今年度東京藝術大学大学院に進学しました。どちらも、専攻は建築設計・意匠です。学部では菊地宏(先生)、大学院では中山英之(先生)という建築家に師事しています。このブログが2人の目に留まることはないと信じて言うならば、双方ともナイーヴで寡作な天才肌と言った人たちです。

 よかったら見てみてね HPやインタビューなど ( http://www.hiroshikikuchi.com )( http://openers.jp/article/20520 )

 なぜ中山研究室という場所に進学しようと思ったのかというと、この中山先生という方はめちゃくちゃに知識が豊かで、切れ者で、またそれを柔らかい言葉で伝えるのが上手い、どこか洗脳されてしまいそうな恐ろしい人で 笑、
 そして私が野放しだった学部時代に好き勝手に培った興味は、建築設計と別の分野(重力とか、演劇とか、騙し絵とか…)を結びつけてなにか新しい空間の提案ができないものか?というような抽象的なものだったので、言葉が巧みで、でも実在する建築に重点を置いている研究室はないものかと考えた時に、ベストな場所だったというわけです。

 一言で建築と言っても、その内実は様々です。圧倒的にいい空間を目指している人もいれば、街おこしや地域コミュニティに興味がある人も、被災地で即戦力になる紙の家を作る人も、建築に別のテーマを載せようとする人も、アンビルト・ドローイング(建たない建築の計画)ばかり書く人も、あとはなるべく安くて立派(本当はこれが一番なのかもね)、そういったありとあらゆる理想像が蔓延しているのが建築という学問です。そんな中で私が興味を惹かれているのは、やっぱり圧倒的ないい空間、そして興味深いテーマ設定です。この2つは必ずしも一つの建築の中で一致せず、寡黙ないい空間もあれば、空間というよりも饒舌な情報のような建築もあります。

 最終的にはやっぱり、空間がいい(例えば、心地よくて、先に進むたびにワクワクするような建築)ことが一番だと思うのですが、学生がする建築の提案は9割以上が架空の物語で終わります。また、建築は人の滞在するエリアや移動経路を決めていくものでもあるために、どうしたって視覚や体験、起承転結、物語と切っても切れない関係にあるんじゃないかと私は考えています。
 そんな二つの理由から、単に架空の「いい空間がここにはできるはずで、この広場にはこんな風に人が集まりますよ」という行政の地域復興ぽい笑 言葉ではなくて、例えば(騙し絵みたいに線が乱立している空間があったならば、人によってこの部屋の輪郭だと捉える線が変わるのではないか?)(地球上のありとあらゆる床と自分の目線の距離って絶対に可変しないのか)(演出的なテーマパークと建築の印象の差はどこにあるの?)みたいな疑問から建築を考えていくことで、今まで気づいていなかった空間の効果に近づけるのではないかな〜と、ここ2年くらいの間感じています。

 そんなわけで、なにを見ても、これを空間に活かせる手立てはないかな?みたいな感じになる習性が身についてきて、クソつまらん映画でも特徴的なカメラワークが一つでもあれば嬉しいし、退屈な絵画でも意味深なタイトルが一つでもついていたら面白い。そしてその代償に、今まで以上に忘我状態でギャー!っと楽しむことが難しくなってきて、5年前の後夜祭の夜みたいな狂喜乱舞はすっごく貴重で懐かしいことだなと思っています。




 折角こういうところに書けるいい機会なので、好きなものをいくつか紹介します。

 まず、言葉なんて全く抜きにして、本当にいいなと思った空間を作る建築家はポルトガルの巨匠アルヴァロ・シザ(Álvaro Siza)です。
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セラルヴェス現代美術館のエントランスでは、大きな白い壁を建てることで光を反射させた結果、天井面までもをぼんやり明るく照らし出す、「物の裏側は当然影になる」なんて常識知らねえよ、みたいなことが起きています。天国に誘い込まれているみたいな、とよく評されるこの入り口ですが、本当に夢みたいな気持ちになる。

シザは他にも、こういうわけわかんない空間のつながりだとか(ガリシア現代美術センター)
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光を入れるためだけの空っぽの空間を使って、天井と奥に見える二つの開口部から入る真っ白な光を偽物みたいに美しくしたり、内部で起こる現象の操作の天才みたいな人です。
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ポルトガル、いろいろ安いし食べ物めちゃ美味しいので是非行ってみてほしい。宿とか1泊900円だったよ。


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 それから、ありとあらゆる情報を結びつけて語ることが恐ろしく上手い建築家 松島潤平さんのブログ( http://www.jparchitects.jp )もすごく面白いです。この方はありがたくも現実の結びつきがあるのですが、だから尚更こういうところでこっそり紹介しているのがバレたら恥ずかしい。笑 勿論、本人ががんば6組に辿り着くことはないはずなので、最大限の敬意と愛情を持ってここに書かせて頂きます。夜中に読んでえんえん泣いたこともあるくらい好き。

このサイトは正直読みにくいので、年度指定してひたすらスクロールしていくしかないのですが、
例えば2007年( http://jparchitects.jp/Diary-2007 )の2007.05.04.髪の毛論
2008年( http://www.jparchitects.jp/Diary-2008 )だと 2008.11.11.味のある水、2008.07.31.アニマリック・フレグランスだとかも面白い。
 内容は建築、音楽、詩、オカルト、科学、美術、旅行記、、と多岐にわたるので、色々気まぐれに読んでみてほしいです。そして私も多分全記事は読んでいないので、抜群にフィットする文章があったら教えてくれ。


ちなみにこの人、うろ覚えのドラえもん道具の話をしただけでそれが何巻のどのコマかすぐわかる能力を持っています。
ドラ

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 それから最近気になっているのはハラサオリさんという藝大卒のパフォーマンス・アーティスト。このあいだ初めて公演「東京都中野区中野1-4-4-1Fのための振付」を観に行ったのですが、この公演が今までになかった客席と舞台の境界の壊し方、という感じでとてもよかったです。(そしてこの人、びっくりするほど美しい)

ハ

 どんな公演かと言うと、会場はタイトル通り東京都中野区中野1-4-4-1F、その中をパフォーマーは自由に動き回り、地声に近い口語体で、会場の空間的特徴を淡々と述べていきます。まず会場の横寸法を述べながら舞台を横断し、縦寸法を述べながら客席の後ろまで歩き、また換気口にビニール袋を押し付け外の空気をいっぱいに集め、「これは、東京都中野区中野1-4-4-1Fの外の空気です」とまたしても淡々と説明を述べます。

そんな説明を延々と聞いているうちに観客は、パフォーマンスが「舞台の上」で完結しているのではなく「この空間」で行なわれていると、気づきはじめます。そのあと、パフォーマーは自分自身を「観られている1つの身体」と説明し、観客ひとりひとりの目を見ながら「1、2、3、」と数を数え、「観ている36の身体」と、観客の体さえも空間の中のひとつの事象として説明します。
 つまり、この、パフォーマーに目を覗き込まれ数えられる瞬間は、客である自分自身が、自分は「舞台の上で起こっているパフォーマンスを傍観している観客」ではなく、「空間の中で起こっているパフォーマンスの内部のひとつの事象」なのだと認識する瞬間です。

 舞台空間が、役者だけの独りよがりの世界で終わらないためには、ディズニー・ランド(シー?)の飛び出すジーニーみたいに、観客席さえも仮想の世界の一部だよ!と示すしかないと思っていたので、劇場空間が現実の空間であり、客はその中に組み込まれていることを明確に示すことで、客席と舞台のスリリングな一体感を作り出すこともできるのか..と結構衝撃的な舞台でした。

 そしてこの人の亡き父に寄せたブログは嫉妬するほどかっこいい。( http://halasaori.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html )


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 あとぱらぱら断片的に挙げていくと、鈴木了二という日本の建築家の本「建築映画マテリアル・サスペンス」
これは映画のなかで建築が不意に存在感を持ち始める瞬間をあれこれ書いている本で、ワクワクします。

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 また、アンビルト・ドローイングで有名な画家?建築家?のMassimo Scolariも超魅力的です。 

すこす すこ

すこすこ


 この絵を観て少しでもいいな、と思った人は、ぜひこの"起こらなかった世界についての物語" という本を探してみてください。amazonなら1000円で夢の世界に行ける。( http://www.xknowledge.co.jp/book/detail/39500911 )


...


 さて、きりがないのでこのへんで終わりにしたいと思います。これも書きたいなあ、とか思っていたら長くなってしまいました。最近は大学院に入り浸りですが、スケジュールは結構自由もきく...と思うので飲みにでもなんでも誘ってください。会ってない人もたくさんいるので、会いたい。

 それでは次の順番は、今誰にしようかな...と twitterのリスト3600を開いてみたら、偶然古賀くんの院試受かった報告を見つけたので(おめでとう!)古賀君お願いします〜!





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さとうけんじ

Author:さとうけんじ
2011年度都立国立高校3600。
国高きっての茶番クラス。
平成21年4月発足後、目に
見えない何かを着々と積み
上げてきた。

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